今年の味噌の色のこと

山口県も梅雨開けが近づき、蔵の中は湿った空気と熱気で満ちています。
今日は商品のご案内より先に、いま蔵で私たちが悩んでいることを、そのまま書かせてください。
味噌は、仕込んでから出荷までの期間が長くなるほど、色が濃くなっていきます。この時期は出荷が落ち着く一方、欠品させるわけにはいかないので、どうしても少し多めに仕込みます。
その量とタイミングの見極めが、毎年いちばん難しく、読み違えると出荷が後ろにずれ、そのぶん着色が進んでしまいます。
昨年は「味噌の色が濃い」というお声を、例年より多くいただきました。もちろんこれは腐敗などではなく、熟成がより進んだ状態で深いコクは出るものの、本来私たちが「これがうちの色」としてお届けしたい淡さとは、少し異なるものでした。これは近年の気候変動も無関係ではありませんが、まずは私たちの見極めの課題だと受け止めています。
その背景に、ここ数年はっきり感じていることがあります。蔵の中の体感が、以前と変わってきました。長く同じやり方を続けてきましたが、「今まで通りだけでは、この先の変化に対応しきれないかもしれない」、それが、いまの正直な実感です。 代々受け継いできたやり方が土台なのは、これからも変わりません。ただ、勘と経験だけでは追いつきにくくなってきたと痛感しています。
そこでこの春から、過去の膨大な味噌の仕込みの記録をもとに、「いつ、どのくらいの色になるか」を目で見えるようにする仕組みを、自分たちで作って使い始めました。 うまくいくかは、正直まだ分かりません。今年やってみて、ずれたところは来年また直します。それでも、お届けする味噌の色と味を自分たちの手で守るための一歩として、始めています。
いつも召し上がってくださる方に、包み隠さずお伝えしておきたくて、今日はこれを書きました。
空模様の変りやすい毎日ですが、どうぞご自愛ください。
一番掘り出し 1kg

麹歩合の高い麦みそを、発酵を止めずそのまま詰めたものです。しゃもじを使ってひとつひとつ手詰めをしているため、麦麹の粒が潰れずにそのまま残っています。味噌漉しで粒を潰した時の豊かな香り立ちは、このみそならではの特徴です。季節や熟成で色・味・香りに幅が出ますが、それも含めて、生きている味噌の味だと思っています。
【一番掘り出し(生味噌)の保存方法について】
「一番掘り出し」は、加熱処理をしていない「生味噌」です。
そのため、お客様のお手元に届いてからも、ゆっくりと熟成が進み、季節や保存環境によって少しずつ色が濃くなっていきます。これは生きた味噌ならではの自然な変化で、品質に問題があるわけではありませんのでご安心ください。
出来たての色や風味を長く楽しんでいただくために、ご購入後は冷蔵庫で保存してください。
また、おまとめ買いをされたときや、しばらく使わない分は、ぜひ冷凍庫へ。
味噌は塩分があるため、冷凍しても固く凍ることはなく、使いたい分だけそのまますくってお使いいただけます。冷凍保存をしても品質が損なわれる心配はほとんどなく、おいしさをゆっくり保つことができます。
生味噌は、蔵で仕上がって終わりではなく、ご家庭でも静かに時を重ねていく食べものです。
生味噌ならではの、自然な熟成の変化もぜひお楽しみください。





